Sostenuto
/ ˌsɒstɪˈnjuːtoʊ /
ソステヌート
定義
音を十分に支えながら保って演奏せよ。 単に音を引き延ばすのではなく、張力を積極的に維持すること。
テヌートとの違い
テヌートが「音を正確な長さで保つ」という消極的な指示であるのに対し、 ソステヌートはより能動的だ。弓(弦楽器)や息(管楽器)の圧力を音の持続中も 維持し続け、音量と音質を積極的に支える。音が鳴り始めた瞬間から 終わりまで一定の緊張感が求められる。
語源と本来の意味
イタリア語 sostenere(支える・維持する)の過去分詞形。 ラテン語 sustinere に由来し、sus-(下から)+ tenere(持つ)の合成。「音を下から支え続ける」という 物理的なイメージが語源に込められている。
ピアノにおけるソステヌート
グランドピアノの3本ペダルの中央、ソステヌートペダルは 踏んだ瞬間に押さえている鍵盤だけのダンパーを解放する。 特定の音だけを持続させながら他の音は通常通り弾けるため、 「ハンマークラヴィーア」等で特殊効果として使われる。
声楽・管楽器における用法
歌い手や管楽器奏者にとっては、ブレスコントロールと 声門・アンブシュアの張力を最後まで緩めないことを意味する。 クレッシェンドがないのに音が太くなる感覚、と言い換えることもできる。 ただし音が揺れてはならない。
代表的な用例
Beethoven
ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」Op.106
第3楽章 — Adagio sostenuto
Chopin
バラード第3番 変イ長調 Op.47
中間部の sostenuto
Brahms
交響曲第4番 ホ短調 Op.98
弦のソステヌート線
Schubert
ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960
第1楽章 —「重さ」の持続感
Mahler
交響曲第9番 ニ長調
第1楽章 — 弦のソステヌート
Debussy
前奏曲集 第1巻
各曲に見られる持続感の指示