奏法記号 Italian

Por tamento

/ portaˈmento /

ポルタメント

音の軌跡

ある音から別の音へ、 音程を滑らせながら 移行する奏法。 途中の音を全て通過する、弦楽器奏者の本能。

一般的な解釈

音と音の間を切らず、連続的にピッチを変化させながら移動する奏法。 弦楽器・声楽で特に顕著に現れる。 グリッサンドより意図的で、レガートより感情的。 入れすぎると「猫のニャー」になる—— それがわかっていても、入れたくなるのが弦楽器奏者のさがだ。

語源と本来の意味

イタリア語 portare (運ぶ・携える)の動名詞形。 「音を運ぶ」が原義。 声楽用語として発展し、器楽に転用された。 18〜19世紀のロマン派で頂点に達し、 現代では「使いすぎ禁止」の代名詞になっている。

通常の跳躍 portamento

Dvorak

チェロ協奏曲
ロ短調 Op. 104

第2楽章 — 歌うようなportamento

Mahler

交響曲第9番
ニ長調

第1楽章 — 弦のportamento指定

Barber

弦楽のためのアダージョ
Op. 11

全篇にわたる哀愁のportamento

Elgar

チェロ協奏曲
ホ短調 Op. 85

第1楽章 — イギリス的哀愁

Brahms

ヴァイオリン協奏曲
ニ長調 Op. 77

第2楽章 — 感情的なportamento

Puccini

歌劇「蝶々夫人」

声楽的portamentoの極致