Adagio
/ əˈdɑːdʒioʊ /
アダージョ
定義
重さを持ちながら流れを止めない遅さ。 努力の痕跡を見せず、静けさの中で音楽を運ぶ。 LargoよりテンポはあるがAndanteより深く沈む、緩徐楽章の中核をなす速度標語。
一般的な解釈
LargoとAndanteの中間に位置する速度。単に遅いだけでなく、「安らかさ」「静けさ」「落ち着き」を伴う演奏を求める。感情的な深みと内省的な表現に適しており、緩徐楽章の代名詞的速度標語。 Lentoが「重さ」、Largoが「広がり」を伴う遅さなのに対し、Adagio本来の語源(ad agio=くつろいで)が示す通り、気負わない安らぎの遅さという質感の違いがある。
語源と本来の意味
イタリア語 adagio は副詞で「ゆっくりと・容易に」を意味する。 ad agio (余裕を持って・安楽に)が語源とされる。 agio はフランス語・プロヴァンス語経由で「安楽・便宜」を意味する。
代表的な用例
Albinoni
アダージョ ト短調
(ジャゾット編)弦楽とオルガンのための
Beethoven
ピアノソナタ第8番「悲愴」Op.13
第2楽章 — Adagio cantabile
Bach
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
冒頭のAdagio
Mozart
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
第2楽章 — Adagio
Barber
弦楽のためのアダージョ
弦楽四重奏曲 Op.11 第2楽章を弦楽合奏用に編曲
Beethoven
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op.131
第1楽章 — Adagio ma non troppo e semplice