奏法記号 Italian

Tre corde

/ ˈtrɛ ˈkɔrde /

トレ・コルデ

t.c. 略記

「3本の弦」の意。Una corda の解除指示。 左ペダルを離し、ハンマーが全ての弦に均等に当たる 通常の状態に戻る。 「tutte le corde(全ての弦)」と同義。

una cordaとの関係

una cordaで左ペダルを踏み、tre cordeで解除する。 一対の指示として楽譜に現れるのが基本で、 una cordaが出てから次のtre cordeまでの区間が 左ペダルを踏み続けるべき箇所だ。 19世紀以降、この二語はセットで理解するのが前提になっている。

due corde — 中間の段階

Op.101やOp.106のような楽譜にはuna cordaとtre cordeの中間として due corde(2本の弦)という指示も登場する。 左ペダルをわずかに戻した状態で、ハンマーが2本の弦に当たる。 Op.101やOp.106「ハンマークラヴィーア」では una corda → due corde → tre cordeという段階的な移行が そのままクレッシェンドの設計と重なっており、 音量と音色が連続して変化する。

Beethoven

ピアノソナタ第28番 Op.101

una corda → due corde → tre cordeの段階指定が書き込まれた代表例

Beethoven

ピアノソナタ「ハンマークラヴィーア」Op.106

第3楽章など — ペダルの段階変化が音楽的クライマックスと連動