フランス語指示語 French

Sourdine

スールディーヌ

弱音器、ミュート。楽器に取り付けて音量を下げるか音色を変える器具の総称。フランス語楽譜では avec sourdine(弱音器をつけて)/sans sourdine(弱音器をはずして)の形で指示される。

楽器別の用法

弦楽器: 駒に挟むクリップ型ミュートで倍音を抑え、くぐもった柔らかい音色を作る。avec sourdine でつけ、sans sourdine でいつでも外せるよう手元に置く。
金管楽器: ベルに挿入するカップ型や直管型の器具。音色変化が大きく、doleful・harmon など種類によって音色が異なる。
ピアノ: sourdine は歴史的には制音機構(現代のソフトペダル=una corda に相当)を指した。

語源と語形

ラテン語 surdus(聞こえない・くぐもった)→ フランス語 sourdine。イタリア語の sordino(→ con sordino / senza sordino)と同語源。楽譜上の主な使用形は以下の通り: avec sourdine(弱音器をつけて)/ sans sourdine(弱音器をはずして)/ mettre la sourdine(弱音器をつけよ)/ ôter la sourdine(弱音器をはずせ)

con sordino(伊語)との関係

avec sourdine は con sordino(伊語)の直接対応形。意味・効果は同一。フランス語で書かれたスコアでは sourdine が使われ、イタリア語表記の楽譜では sordino が使われる。オーケストラ奏者はどちらも日常的に目にする。

演奏者視点での実務的注意

avec sourdine の後に sans sourdine が来るまで、ミュートを外さないのが原則。外し忘れや付け忘れは音色の大きなミスにつながる。コントラバスでは sans sourdine が出るタイミングを楽章の切れ目に合わせて準備する必要があり、指示の先読みが重要。なお en sourdine(弱音で・音を抑えて)は同語源の副詞句で、速度や強弱の文脈でも譜面上に現れる。ヴェルレーヌの詩に基づくドビュッシー・フォーレの歌曲タイトルにもなっている。