フランス語指示語 French

Laissez vibrer

レセ・ヴィブレ

振動させたまま、響かせたまま。ダンパーや手でミュートせず、音が自然に減衰するまで放置する指示。ハープ・ピアノ・シンバル・マリンバなど打弦・撥弦楽器に用いられる。略記は l.v.

一般的な解釈

laissez(させておけ)+ vibrer(振動する)。「振動が続くままにしておけ」という命令形。音を能動的に止めるのではなく、自然な減衰に任せることを指示する。楽譜上では通常の音符から次の音符へつながらないタイ状の記号で示されることも多く、次の打鍵・撥弦の後も前の音が鳴り続ける。

語源と楽器別の意味

laisser(放つ・させておく)+ vibrer(振動する)。イタリア語では lascia vibrare / lasciar vibrare が対応し、略記 l.v. は言語を問わず共通して使われる。ハープでは弦をミュートしない指示、ピアノではダンパーペダルを踏み続けて残響させる効果と一致することが多い。シンバルでは打った後に手で止めないことを意味する。

演奏者視点での使用感覚

ハープ奏者にとって l.v. は最も頻繁に目にする略記のひとつ。フランス印象派の作品ではとくに、前の和音の余韻を次の音型に引き継がせて「霞のような」層を作ることが意図される。消音のタイミングを奏者の判断に委ねる性格もある。

記譜上の表記形

楽譜では次の音符へつながらないタイ(空タイ)として表記される形式が標準的。LilyPond などの楽譜浄書ソフトにも専用コマンドがある(\laissezVibrer)。テキストで "l.v." または "laissez vib." と記されることもある。