発想記号 / 奏法記号 Italian

Ondeggiando

オンデッジャンド

波のように揺れながら。音楽全体のフレーズ感に波の動きを求める場合と、弦楽器の奏法指示(弓を弦の間で揺らし複数弦を素早く行き来させる)を指す場合がある。どちらも核心は規則的な揺れの連続——一定の周期で振り幅を持ちながら前に進む運動だ。

発想記号としての ondeggiando

フレーズの表情に波の動きを持たせる——crescendo と decrescendo を交互に繰り返すような呼吸。海面が規則的にうねるように、音楽が膨らんでは引く。undulando(波立つように)と同義的に使われることが多い。静水より生きた揺れ——常に動いているが荒れていない状態が理想だ。

弦楽奏法としての ondeggiando

弓を2本の隣接する弦の間で揺らし、素早く交互に接触させる奏法。flautando(フルートのような音色)やsul ponticello(駒寄り)と組み合わせて水面のきらめきを表現する。20世紀音楽では声部をテクスチャに溶かす手法として用いられる。

語源

イタリア語 ondeggiare(波立つ・揺れる)の現在分詞形——「波立ちながら」。onda(波)が語根で、フランス語 onde、英語 undulate(波打つ)と同語源。mormorando(つぶやきながら)・tremolando(震えながら)と同じ動詞現在分詞の形式を持つ発想記号だ。

tremolando との違い

tremolando(震えながら)は不規則・不安定な細かい振動——感情的な動揺や不安が核心にある。ondeggiando は規則的で穏やかな揺れ——自然の波のリズムを持つ。tremolando が「震え」なら ondeggiando は「うねり」だ。音楽的な効果では、tremolando が緊張感を生み、ondeggiando は流動性と柔らかさを生む。