速度変化 Italian

Cedendo

チェデンド

「譲るように」テンポを緩める。強制的な減速ではなく、流れに逆らわず自然に身を引くような柔軟な緩み。フランス語の cédez と同義。

一般的な解釈

「譲るように」テンポを緩める。強制的な減速ではなく、流れに逆らわず自然に身を引くような柔軟な緩み。rallentando が「段階的に遅くなる過程」を指すのに対し、cedendo はその「譲歩する態度」に重点を置く。

語源と本来の意味

イタリア語 cedere(譲る・引き退く)の現在分詞。ラテン語 cedere(行く・退く・譲歩する)に直接由来。フランス語 céder、英語 cede(譲渡する)と同語根。フランス語指示語 cédez はこの語の直接の対応形。

演奏者視点での使用感覚

「押しつけがましくない緩み」が理想。テンポを意図的に落とすより、息を一段深く吸った結果テンポが自然に緩むイメージ。弦楽では弓速をそっと落とし、音量は変えない。指揮者がいる場合、拍の緩みに反応するアンサンブルの自然な呼吸が cedendo の本質を作る。

楽曲における役割

フレーズの終止前、あるいは二つの楽想の間の橋渡し的な箇所に多い。一時的な緩みであり、その後 a tempo または au mouvement で元に戻るのが通例。フランス系音楽では cédez として現れることが多く、イタリア語 cedendo は室内楽や弦楽のパート譜に散見される。