和声・理論 Latin

Counterpoint

カウンターポイント / 対位法(たいいほう)

punctus
contra
punctum
音符対音符

複数の独立した旋律線を同時に組み合わせる作曲技法。各声部が個別の動きを持ちながら、全体として調和する。

対位法とハーモニーの違い

ハーモニー(和声):和音の縦の積み重ねと進行を扱う。主役は和音の色彩と機能。
対位法:複数の旋律線の横の流れと相互関係を扱う。各声部が独立した「歌」として機能する。バロック期のフーガでは全声部が等しく旋律的で、どの声部も伴奏に成り下がらない。

語源

ラテン語 punctus contra punctum(音符に対する音符)。中世の記譜法では音符を点(punctus)で表したことから、「一つの点の対面に別の点を置く」という原義。英語では16世紀ごろから counterpoint として定着した。

厳格対位法と自由対位法

厳格対位法(species counterpoint):中世から発展した教育的体系。第1〜第5種に分類された声部の動き方の規則(並進行の禁止、隠伏5度の制限など)に従って作る。Fux の「グラドゥス・アド・パルナッスム」(1725)が教科書として定着。
自由対位法:実際の作品では厳格な規則を超え、表現のために規則を曲げることが許容される。

演奏者の視点から

対位的なパッセージを演奏するとき、各声部の「独立した動き」を聴衆に伝えることが責任になる。特に弦楽やピアノでは複数声部を一人で担当するため、内声を埋もれさせず、各旋律線の輪郭を際立たせる技術が必要。ben marcato の指示はしばしばこの目的で使われる。

Bach

フーガの技法 BWV1080

対位法の極致 — 1つの主題から無数の対位変形

Mozart

交響曲第41番「ジュピター」K.551

第4楽章 — 古典的形式と対位法の融合

Beethoven

弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op.131

第1楽章 — 遅いフーガによる開幕

Brahms

交響曲第1番 ハ短調 Op.68

第4楽章コーダ — 対位的テクスチャー