発想記号 Italian

Strepitoso

ストレピトーゾ

騒々しく、けたたましく。音楽が「うるさい」ことを積極的に求める語——轟音・喧騒・祝砲のような爆発的な騒がしさを意図的に音楽に持ち込む。gridando(叫ぶ)が人の声を出発点とするなら、strepitoso は群衆・機械・自然の轟き——スケールの大きなノイズの質感だ。威圧・勝利の宣言・壮絶な場面で使われる。

furioso / feroce との違い

furioso(激怒して)は感情的な爆発——個人的な怒りの激しさ。feroce(猛烈に)は野性的な攻撃性。strepitoso は感情の方向性より音量と音響的な混沌——騒ぎそのものが目的だ。一人の演奏者が furioso になることはできるが、strepitoso は複数の音源が同時に鳴り響く大騒音のイメージを持つ。オーケストラ全体が ff で轟き渡る瞬間がstrepitoso の典型だ。

語源

イタリア語 strepito(騒音・轟き・喧騒)+ 形容詞語尾 -oso(〜に満ちた)——「騒音に満ちた」。語根はラテン語 strepitus(騒音・物音)——英語に直接の対応語はないが、din(喧騒)が近い。名詞 strepito はイタリア語で「大きな物音・騒ぎ・騒々しさ」を広く指す。

演奏上の意味

fffに向けて一気に解放し、音の美しさより音量と存在感を優先する。弦楽器では弓圧を最大限に高め、打音のような鋭さで弦を捉える。管楽器では息を限界まで押し込み、音が少々汚れても構わない——騒ぎの中の「汚れた音」が strepitoso の一部だ。打楽器は通常より力強く打ち、音場全体を震わせることを目標にする。

劇的場面での用法

strepitoso はオペラの戦闘場面・凱旋場面・怒りの爆発(第三者による、大規模な)などで使われる。オペラのフィナーレ——群衆が騒ぎ立てる喜劇的な混沌——や、劇的クライマックス、「断頭台への行進」のような場面が典型だ。「正しい騒ぎ」を組織する指示だ。