発想記号 Italian

Galante

/ gaˈlante /

ガランテ

galante 発想記号

「優雅に、洗練された社交界の作法で」。 18世紀ヨーロッパの宮廷文化が生んだギャラントリー(galanterie)の精神—— 軽やかで気取らない、それでいて洗練された優美さを指す。

elegante・graziosoとの違い

eleganteは洗練美全般を指す広い語、 graziosoは「しとやかさ・愛らしさ」を指す語。 対してgalanteは、特定の時代様式——18世紀ロココの 社交的な軽やかさを指す歴史的な様式語である点で、 他の二語とは性格を異にする。

ギャラント様式という時代

バロックの複雑な対位法への反動として、18世紀中頃に 「ギャラント様式(style galant)」が生まれた。 単純で歌うような旋律、軽やかな伴奏、対称的な楽句構造を特徴とし、 バロックから古典派への過渡期の作曲家たちが この様式の中心的な担い手となった。

語源

古フランス語galant(陽気な、勇敢な、後に「優雅で礼儀正しい」)に由来。 英語のgallant(騎士道的な、優雅な)と同根。 宮廷における洗練された立ち居振る舞いが、 そのまま音楽様式の名前へと転用された。

演奏の核心

重さや粘りを避け、装飾音を軽やかに、対称的なフレーズを 明瞭に区切ること。 感情を深く沈潜させるのではなく、社交の場にふさわしい 表面的な機知と優美さを保つことがgalanteの核心だ。

C.P.E. Bach

鍵盤作品(各種)

ギャラント様式の中心人物による、感受性と軽やかさの融合

J.C. Bach

交響曲(各種)

洗練されたギャラント様式の代表例

Mozart

初期作品(各種)

少年期にギャラント様式から強い影響を受けた