発想記号 Italian

Burlesco

ブルレスコ

おどけて、滑稽に、道化のように。誇張と意外性をもって笑いを引き出す演奏の指示。洗練されたユーモア(giocoso)よりも荒削りで大げさ、時に皮肉や風刺を帯びる。

演奏上の性格

burlesco な演奏では、音の輪郭を意図的に強調し、リズムを弾ませ、ダイナミクスの変化を大げさに作る。フレーズの終わりに意外な音を置く、音量を突然落とす、アクセントを予想外の位置に移す——こうした「ずらし」が笑いの構造を作る。完璧な優雅さより、あえて崩した粗さが効果を生む。

語源と文化的背景

イタリア語 burla(冗談・いたずら・悪ふざけ)から派生。burlare(からかう・冗談を言う)の形容詞形。英語 burlesque(バーレスク)と同語根で、低俗な笑いや誇張した模倣劇を指す。音楽では特に18〜20世紀の器楽曲で、コミカルな性格小品や交響詩の一場面に付される。

giocoso・scherzando との違い

giocoso(遊び心をもって)は軽やかで品のある遊び心。scherzando(冗談めかして)は素早く軽い茶目っ気。burlesco はそれらより荒削りで誇張が大きく、ときに悪ふざけや風刺を含む。道化師が大げさに転ぶ——そういった可視化された笑いが burlesco の領域だ。

楽曲例

《ピアノ曲集「戸外にて」》の〈バルレッタ(Burlesetta)〉、《ブルレスケ》(ピアノと管弦楽)はこの語に由来する代表的な作品。交響曲にも「バーレスケ風」と表現されるスケルツォ楽章がある。