Amoroso
/ amoˈroːzo /
アモローゾ
amor.
発想記号
定義
「愛らしく、恋するように」。amore(愛)に由来し、 柔らかく親密な情感を込めて演奏することを求める。 affettuosoより直接的に「恋愛」という温度を持つ語だ。
affettuoso・amabileとの違い
affettuosoは愛情や温かみ全般を指す広い語、 amabileは「愛らしさ・可憐さ」という対象の性質を指す語。 対してamorosoはより直接的に「恋愛的な甘さ」を表す。 三語とも近縁だが、amorosoだけが明確に恋情のニュアンスを帯びる。
ベルカントオペラとの結びつき
19世紀イタリア・ベルカントオペラのアリアで好んで用いられた。 長く滑らかな旋律線(レガート)と分かちがたく結びついており、 声楽的な「歌うことの愛らしさ」がそのまま器楽にも転用されている。
語源
ラテン語amor(愛)に由来する形容詞amorosusから。 英語のamorous(恋慕の)と同根。 ロマンス諸語に広く分布する、最も基本的な「愛」の語根の一つだ。
演奏の核心
音を強く押し出すのではなく、寄り添うように差し出すこと。 テンポにわずかな揺らぎ(ルバート)を持たせ、 フレーズの終わりを優しく着地させることで、 amorosoの甘やかな質感が立ち上がる。
代表的な用例
Bellini
歌劇(各種アリア)
ベルカント様式に見る、amoroso的な柔らかい歌唱表現の典型
Chopin
夜想曲(各種)
ピアノにおけるamoroso的旋律美の系譜
Fauré
「夢のあとに」Op.7-1
フランス近代歌曲における優しい恋情の表現