楽曲分析 / 和声Latin / German

Sequence

ゼクエンツ(独) / シーケンス / 反復進行

音型を
転調しながら
繰り返す
sequential motion

ある音型または和声パターンを、異なる音高で繰り返す技法。旋律のsequence(旋律反復進行)と和声のsequence(和声反復進行)があり、どちらも「同じパターンが一定間隔で上行または下行する」構造を持つ。

旋律反復進行

同じ音型が異なる音高で繰り返される。例えばソ-ミ-ファ-レ / ファ-レ-ミ-ド / ミ-ド-レ-シ と1度ずつ下行しながら同じ形が続く。バロック音楽では sequence が楽曲構造を組み立てる原理として機能する。音型を認識してしまえばパターンとして把握でき、暗譜しやすくなる利点がある。

和声反復進行とサークル・オブ・5度

和声でのsequenceは和音の連続パターンが繰り返される。最もよく出るのが5度下降sequence(サークル・オブ・5度):I-IV-VII-III-VI-II-V-I のように根音が5度ずつ下がる。バロック音楽からジャズのII-V-Iまですべてこの原理。この「重力に引かれるような下降」が音楽に推進力を与える。

真正sequenceと音調sequenceの違い

真正sequence(real/strict):完全に同じ音程で繰り返す。調号を無視するため転調する。
音調sequence(tonal):調号内の音で繰り返すため、音程がわずかに変わる(長3度↔短3度等)。調性を保ちながら繰り返せる。バロック・古典期は音調sequenceが多い。真正sequenceは転調効果を意図する場合に使われる。

演奏者にとってのsequence

sequenceを認識すると練習が格段に楽になる。「この16小節はずっとsequence」と分かれば、最初のひとまとまりを覚えれば残りは機械的に転用できる。また演奏上は、同じパターンが続くと退屈になりやすいので、各繰り返しに微妙なdynamicsの起伏をつけるのが慣例。crescendo/decrescendoの方向を決めることでsequenceに「行き先」が生まれる。