Exposition
提示部
定義
ソナタ形式の最初の部分。主題(第1主題・第2主題)が初めて提示される箇所。通常は調を確立し、楽曲の基本的な音楽素材を聴き手に「提示」する役割を果たす。
一般的な解釈
ソナタ形式全体の基礎となる部分。提示部で提示された音楽素材は、その後の展開部で変形・発展させられる。
語源と本来の意味
ラテン語 exponere(明らかにする)に由来。音楽の主要な考えを「明らかにする」という意味。
演奏者視点での役割
演奏者にとって提示部は「楽曲の顔」を作る部分。ここでの演奏が良くないと、その後の展開部や再現部の説得力も失われる。指揮者は提示部の反復(通常1回目は反復あり)をどう扱うかで、楽曲全体の解釈の方向性を示す。
楽曲構造での機能
ソナタ形式の物語において、「登場人物紹介」のような役割。主題がどのような性格か、どのような調関係か、どのような旋律的特徴か——すべてがここで明示される。
代表的な用例
Beethoven
交響曲第5番 ハ短調 Op.67
第1楽章
Mozart
ピアノソナタ K.545 ハ長調
第1楽章
Brahms
交響曲第1番 ハ短調 Op.68
第1楽章