記譜・理論English

Double Accidental

ダブル・アクシデンタル / 重変化記号(じゅうへんかきごう)

𝄪 𝄫×(重嬰)/ 𝄫(重降)

音を2半音上げる(ダブルシャープ:×)または2半音下げる(ダブルフラット:𝄫)臨時記号。異名同音転調や和声分析でよく現れる。

なぜダブル記号が必要か

和声理論では音名の「文字」を保ちながら高さを変えたい場面がある。例えば嬰ト短調(G♯ minor)の和声短音階では第7音を半音上げると F♯ → F×(ダブルシャープ)になる。これは音高としてはGと同じだが、理論上「FのダブルシャープはGではなくF#の半音上」として扱う必要がある。GとF×は異名同音だが役割が違う。

ダブルシャープの記号形

ダブルシャープは「×」(バツ印)で表す。ダブルフラット(𝄫)はフラットを2つ並べた記号。現代記譜ではこれらの後にナチュラル(♮)を付けてキャンセルする際、「♮♯」(ナチュラル+シャープ)または「♮♭」(ナチュラル+フラット)で1つ分の変化に戻すこともある。出版社や時代によって表記が異なる場合がある。

実際によく出てくる場面

嬰ハ長調(C♯ major)の属七和音:G♯-B♯-D♯-F×。このF×はGと同音だが、G♯長調のV7和音の第7音として「F」という音名を保ちながら2半音上がっている。和声分析でこの区別をしないと声部進行の「方向性」が見えなくなる。

読み方・演奏上の注意

楽譜に「×」や「𝄫」が出てきたときは異名同音で置き換えて音高を確認するのが最速。F× → G、C𝄫 → B♭ など。その後で「なぜここにこの記号があるか」を考えると和声の流れが見えてくる。演奏上の音高としては異名同音で問題ないが、理論的文脈では元の記号が意味を持つ。