Imperioso
インペリオーゾ
定義
威圧的に、命令するように、支配的に。maestoso(荘厳な威厳)より能動的で威圧の圧力があり、deciso(決然と)より格式と権威の感覚がある。「この音楽に従え」という支配的な力を持って演奏する指示だ。
maestoso・deciso との違い
maestoso(荘厳に)は偉大さを見せる——観察される威厳だ。deciso(決然と)は揺るぎない決意——自分の内側の確信だ。imperioso は他者への圧力——空間を支配し、聴衆を従わせるような力の方向性がある。指揮者が全員を静止させる一振りのような、有無を言わさぬ権威感だ。
語源
ラテン語 imperium(命令権・帝国・支配)→ imperiosus(支配的な・専制的な)→ イタリア語 imperioso(命令的な・威圧的な)。英語の imperious(高圧的な)と完全に同語源。ローマ皇帝の命令権 imperium を語源に持つため、音楽の imperioso には「逆らえない権力」の感覚が刷り込まれている。
演奏上の意味
imperioso の演奏では、強拍を断固として踏み、フレーズを迷わずに進める。音量は大きく、アクセントは鋭く、テンポは揺れない。弦楽器では弓を速く重く、アップボウよりダウンボウに優位性を持たせる。間(ま)を使う場合も「余裕のある沈黙」ではなく「聴き手が待たざるを得ない沈黙」として用いる。
オペラと器楽での用法
オペラでは、悪役の王・専制君主・支配的な父親のアリアに imperioso 的な性格が現れる。器楽に転用された imperioso は、そのオペラ的な「命令する声」——迷いなく権力を行使する人物の姿勢——を楽器の音に移したものだ。