発想記号 Italian

Con moto

/ kon ˈmɔːto /

コン・モート

con moto 発想記号

動きをつけて、速めに。音楽が「流れている」感覚を加える指示。停滞を嫌い、テンポに流れと推進力を持たせよ。

速度標語への付加として

con motoはしばしば速度標語に付加される。「Andante con moto(歩くように、しかし動きをもって)」はその典型的な用法だ。歩くテンポを保ちながら、音楽が停滞しない感覚。川が流れるように、一定のテンポを保ちながらも常に前に進み続けること。「con moto」の「moto」は「動き」という意味で、止まらないことを要求する。

語源と本来の意味

イタリア語 moto(動き・運動・モーション)に前置詞 con(〜をもって)を付けた表現。ラテン語 motus(動き)から。英語のmotion(動き)、motor(モーター)、emotion(感情)——すべて同語源だ。「e-motion(外への動き)」が感情を意味するように、con motoは音楽の「外への動き」、聴衆を前に引っ張る力だ。

agitato・animatoとの違い

三者はいずれも「動き」に関連するが性格が違う。con motoが「流れの持続」なら、animatoは「生命感の付加」、agitatoは「内側からの不安による揺れ」だ。con motoは最も外側の——テンポそのものの流れに関する指示。音楽のベクトルを前に向け続ける、方向の指示だ。

演奏上のアプローチ

con motoを演奏する時、テンポを「押す」感覚を持つ。指揮者なら少し前傾みの姿勢で、演奏者なら弓を使い切ること、息を最後まで使うことを意識する。音楽が「溜まらない」ように——フレーズの終わりで息が詰まらず、自然に次のフレーズへ流れ込む。川の流れに逆らわないこと。

停滞した流れ con motoな推進

Beethoven

交響曲第5番 ハ短調 Op.67

第2楽章 Andante con moto

Schubert

ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 Op.100

Andante con moto感

Brahms

交響曲第2番 ニ長調 Op.73

第1楽章のcon moto感

Mendelssohn

交響曲第4番「イタリア」Op.90

全体的なcon moto感

Schumann

ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54

con motoの推進力

Franck

ヴァイオリンソナタ イ長調

第4楽章のcon moto感