Animato
/ aniˈmaːto /
アニマート
定義
活気をもって、生き生きと。速さではなく生命感の指示。音楽が呼吸しているように、フレーズに弾力と生気を持たせること。
vivaceとの違い
vivaceが速度と活気を同時に求めるのに対し、animatoは主に「生命感」を求める発想記号だ。Andante animatoという指示があれば、歩くテンポのまま音楽に生き生きとした弾力を加えるということ。テンポが速くなくても音楽は「生きている」——そのことを要求する。
語源と本来の意味
イタリア語 animare(活気づける・魂を吹き込む)の過去分詞形。ラテン語 anima(魂・息・生命)に由来。英語のanimate(生き生きとした)、animation(アニメーション)と同語源。「魂を吹き込まれた」状態——神が泥に息を吹き込んで人間を作ったような、生命の発生のイメージが語源にある。
演奏上のアプローチ
animatoを出すには、フレーズに「弾力」を持たせることが鍵だ。音と音の間に小さな呼吸を感じさせ、リズムに微妙な揺れ(ただし崩れではない)を加える。音楽が機械的に流れるのではなく、生きた人間が演奏しているという感覚を前面に出すこと。テンポを上げるよりも、音の「質感」を変えることで達成される。
速度標語との組み合わせ
animatoは独立した指示としても、速度標語への付加としても使われる。Allegro animatoは「速く、かつ生き生きと」、Andante animatoは「歩くように、しかし生気をもって」。この場合、前の速度は維持しながら表情の温度を上げるという意味になる。
生命感の流れ
代表的な用例
Brahms
交響曲第1番 ハ短調 Op.68
第4楽章 — Allegro non troppo ma con brio, animato
Dvorak
チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
animatoの推移部
Schumann
ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
animatoな第2主題
Mendelssohn
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
animato感のある第1楽章
Saint-Saëns
チェロ協奏曲第1番 イ短調 Op.33
animatoの推進力
Franck
ヴァイオリンソナタ イ長調
第4楽章のanimato感