Ruvido
ルーヴィド
定義
荒々しく、ざらついた質感で、粗削りに。音色の表面を意図的に荒らす——研磨された滑らかさでなく、木の手触りや岩の表面のような粗さを音に求める。rustico(田舎風な粗削りさ)より音色の質感そのものに焦点があり、フレーズ全体の性格より個々の音の表面に注目させる指示だ。
rustico・feroce との比較
rustico(田舎風に)は農村的な素朴さ・文化的な背景が核心。feroce(猛烈に)は野性的な攻撃エネルギーが核心。ruvido は音色の物理的な質感に特化する——ざらついた、擦れた、滑らかでない音の表面。弦楽器で意図的に弓圧を高め駒寄りで弾く、管楽器で荒い息を使う——奏法として実現する質感の指定だ。
語源
イタリア語 ruvido(ざらついた・粗い・荒々しい)。ラテン語 rugosus(しわだらけの・凸凹した)と近い語族に属し、表面の粗さを表す語だ。英語には直接の対応語がないが、rough や coarse に相当する。音楽指示として使われるとき、演奏者に「美しい音を出す」通常の努力を逆向きに使うことを求める。
演奏上の意味
弦楽器では弓圧を高め、駒寄り(sul ponticello 気味)で速めの弓速で弾く——音の粒立ちを強調し、弓の毛と弦の摩擦感を前面に出す。管楽器では息の流れに乱流を意図的に混じらせる。フレーズを滑らかに繋ぐより、音と音の間の切れ目を感じさせる。「荒削りさ」そのものが表現の目的になる。
20世紀音楽での使用
ruvido はバロック・古典派にはほぼ現れず、表現主義・前衛音楽の語彙だ。20世紀の激しいパッセージで見られる。「美しい音色で美しく演奏する」という古典的規範を破り、音の粗さ・荒さを積極的に音楽語法として取り込む20世紀の美学を体現する語だ。