発想記号 Italian

Largamente

/ largaˈmente /

ラルガメンテ

largam. 発想記号

「幅広く、ゆったりと堂々と」。largo(幅広い)の副詞形で、 既存のテンポに対して空間的な広がりを持たせる指示。 速度を落とすというより、響きを「広げる」感覚に近い。

largoとの違い

largoは独立した速度標語(およそ40–60)として、 楽章全体の性格を規定する名詞的な存在だ。 対してlargamenteは副詞—— 既にあるテンポや楽想に対する「広げ方」の指示であり、 速度区分そのものではなく演奏スタイルの修飾として機能する。

コーダにおける役割

交響曲や協奏曲の終結部で、それまでの推進力を解き放ち、 最後の和音に向けて空間を押し広げるように用いられることが多い。 テンポの引き伸ばしと音量の拡大が同時に起こる、 「結末の堂々たる広がり」を演出する語だ。

語源

ラテン語largus(豊富な、寛大な、広い)に由来する largoの副詞形largamente。 英語のlarge(大きい)、largesse(気前のよさ)と同根。 「物理的な広さ」と「精神的な寛大さ」を併せ持つ語根だ。

演奏の核心

単にテンポを緩めるのではなく、一音一音の響きを 十分に空間に広げ、余韻を聴かせること。 フレーズの密度を下げ、間(ま)を意識することで、 largamenteの持つ堂々とした広がりが生まれる。

Rachmaninoff

ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18

終楽章コーダに見られる、largamente的な堂々たる拡大

Brahms

交響曲(各種)

終結部における典型的なlargamente的処理