Declamato
デクラマート
定義
朗唱するように、朗読するように、言葉を一つ一つ強調しながら。音楽的な歌い回しより言葉・音節の明確な発音と強調を優先する演奏態度——詩の朗読者が一語一語を客席に届けるように音楽を運ぶことを求める語だ。
narrante との違い
narrante(語るように)は物語を語る——流れのある文脈と展開を持つ。declamato は朗唱——演説・詩の낭독のように、個々の言葉が際立つ強調型の語り方だ。narrante が「ストーリーテラー」なら declamato は「弁士」あるいは「役者の台詞回し」。フレーズは流れるのではなく、音節ごとに明確な輪郭を持って打ち込まれる。
語源
ラテン語 declamare(大声で朗読する・演説する)の過去分詞形——「朗唱された」。de-(強意)+ clamare(叫ぶ・声高に言う)から。英語 declaim(朗々と語る・演説する)と完全に同語源。古代ローマの修辞教育における declamatio(弁論の実習)が語の背景にあり、公的な場で声を張って語る技術を指す。
演奏上の意味
declamato では、音符一つ一つ、あるいは音節一つ一つが明確な強調を持つ。スラーで結ばれていても、各音の「重さ」が均等化されず、強調する音が際立つ。テンポは固定ではなく、重要な語に向けて引き延ばされることがある——弁士が核心の語の前にわずかに間を置くように。音量は大きめのことが多く、声楽では子音の明確な発音が鍵となる。
器楽での declamato
声楽由来の語だが、器楽——特にピアノ、弦楽——でも使われる。ピアノでは、各音符に重みをかけて打鍵し、一つ一つが「語られる」質感を出す。弦楽器では弓圧を高めて各音を刻む——slur を使っても音の境界を感じさせる弓の重さの変化が求められる。バロックの声楽的様式を継承した音楽、あるいは19世紀後期の器楽作品でしばしば求められる。