発想記号 Italian

Con sentimento

/ kon sentiˈmento /

コン・センティメント

con sent. 略記

感情をこめて。自分の感情を音楽に乗せるのではなく、音楽の感情を自分が感じながら演奏すること。内向きの、個人的な感情指示。

espressivoとの違い

espressivoが「表情をつけて(どのような表情かは文脈次第)」という包括的な指示なら、con sentimentoはより個人的・内面的だ。espressivoは「表情を外に出せ」、con sentimentoは「内側で感じろ」——方向が内向きだ。感情を「表現する」より「感じる」ことを優先する指示。その違いが演奏に微妙な差をもたらす。

語源と本来の意味

イタリア語 sentimento(感情・感覚・気持ち・センチメント)に前置詞 con(〜をもって)を付けた表現。sentire(感じる・聴く・嗅ぐ)から派生し、ラテン語 sentire(感覚で知覚する)に由来する。英語のsentiment(感情・情緒)、sense(感覚)と同語源。「感覚で知覚したもの」——つまり頭で考えるのではなく、身体で感じることを語源は示唆している。

歌曲・室内楽での用法

con sentimento はとりわけ声楽的なフレージングを要求する場面で力を発揮する——詩の感情を音楽が完全に内包する瞬間、歌曲や室内楽の内省的な楽節がその典型だ。演奏者がその感情を「表現する」のではなく、その感情そのものに「なる」——それが con sentimento の究極の要求だ。

演奏上のアプローチ

con sentimentoで最も重要なのは「準備」——演奏前に音楽の感情を自分の中に呼び起こすこと。技術的な準備だけでなく、感情的な準備をする。音楽が始まる前から、すでにその感情の中にいる状態を作る。そして演奏中は技術より感情を信頼し、感情が音楽をガイドするに任せる。「感じながら弾く」のではなく「感じているから弾く」。

無感情な表現 con sentimentoな内面

Schumann

詩人の恋 Op.48

con sentimentoの歌曲集

Brahms

間奏曲集 Op.116

con sentimentoな晩年作品

Schubert

白鳥の歌 D.957

con sentimentoな歌曲集

Mahler

亡き子をしのぶ歌

con sentimentoな深い感情

Faure

ヴァイオリンソナタ第1番 イ長調 Op.13

con sentimentoな室内楽

Elgar

チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85

con sentimentoな晩年の告白