強弱記号 Latin

Accent

アクセント

> 記号

その音を周囲より強調して演奏する指示。音頭を際立たせるが、音価(長さ)は変えない。

accentとsforzandoの違い

accent記号(>)は周囲のダイナミクスに対する相対的な強調。pの中にあれば小さな山、fの中にあればさらに上乗せする。sforzando(sfz)は文脈に関係なく「突然・瞬間的に強める」という絶対的な強調で、方向性が異なる。実用上はsfzの方が強い印象を与えることが多い。

語源と本来の意味

ラテン語 accentus(音調・強勢)。ad(〜に向けて)+ cantus(歌)の合成語で「歌に添える」が原義。言語学のアクセント(強勢音節)と同語源。音楽では特定の音に「重心」を置くイメージ。

拍節アクセントとの違い

楽譜に記号がなくても4拍子の1・3拍目には自然な「拍節アクセント」がある。記号としてのaccentはそれとは別で、本来弱い位置(2・4拍目、弱拍)に意図的に付けることも多い。Beethoven以降の作品ではこのカウンターアクセントが表現の要になる。

楽器ごとの実現方法

弦楽器:弓速を瞬間的に上げるか弓圧を増す。音頭だけが際立ち、その後は元の音量に戻る。
管楽器:息圧とタンギングを組み合わせて頭を立てる。
ピアノ:打鍵の速度を上げ、音頭のアタックを鋭くする。

Beethoven

交響曲第3番「英雄」変ホ長調 Op.55

第1楽章 — 弱拍へのaccentで拍節を崩す

Stravinsky

春の祭典

不規則拍子上への連続accent — リズムの暴力性

Bartók

弦楽四重奏曲第4番 Sz.91

accent密集による攻撃的なリズム構築

Brahms

ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83

ヘミオラとaccentの組み合わせ