感情の 指示書
「ここでこういう顔をしてくれ」——作曲家からの伝言
定義
発想記号とは、速さでも強さでもなく、 音楽の表情 を指定する記号だ。 作曲家が譜面越しに語りかける言葉。「嘘のつき方」の指示書でもある。
質感の指定
Texture — 音の手触り
Cantabile
カンタービレ
歌うように
ベースを弾いてることを忘れて、声を出してるつもりで。
Dolce
ドルチェ
甘く、柔和に
牧野くんの頭に乗ってるタオルの柔らかさをイメージする。
Espressivo
エスプレッシーヴォ
感情豊かに
感情を「漏らす」感じ。計算じゃなくて、溢れさせる。
Grazioso
グラツィオーゾ
優雅に
てぃーの立ち振る舞い。泥臭さを一切見せない。
Legato
レガート
滑らかに
音と音の隙間に指を挟ませない。粘り気。
エネルギーと熱量
Energy — 音の体温
Appassionato
アパッショナート
熱情的に
クオッカののんちゃんが、たまに見せる鋭い目つきの時。
Con brio
コン・ブリオ
生き生きと
時速80キロのガゼル。疾走感。
Energico
エネルジコ
力強く
筋肉。物理的なパワーで空気を震わせる。
Maestoso
マエストーゾ
堂々と
「僕がここにいる」という証明。腰を据えて。
Scherzando
スケルツァンド
おどけて
ちょっと人を食ったような感じ。僕の得意分野。
内面と空気感
Atmosphere — 音の気配
Agitato
アジタート
急ぎ立てるように
「まずい。」と思った時の、あの心拍数。
Tranquillo
トランクィロ
静かに、穏やかに
カピバラが温泉に浸かっている、あの無の境地。
Misterioso
ミステリオーゾ
神秘的に
9本の尻尾がチラつく、狐の気配。
Grave
グラーヴェ
重々しく
地底を掘り進むような、深く重い低音。
Capriccioso
カプリチョーゾ
気まぐれに
譜面通りに弾くのを、一瞬だけ放棄してみる。
その他、よく使うやつ
-
A tempo
元の速さで。
我に返る瞬間。 -
Ad libitum
自由に。
一番怖い指示。 -
Marcato
はっきりと。
砂漠に足跡を刻むように。 -
Tenuto
十分に保って。
名残惜しそうに。
ミーアキャット公平のメモ
こういう記号を、僕は
「嘘のつき方」の指示
だと思ってる。
「ここは悲しいふりをして」「ここは余裕があるふりをして」。
でも、その嘘を突き詰めると、いつの間にかそれが自分たちの
「真実」
になってたりする。
「まずい」状況を
Grazioso(優雅)
に乗り切るのか、
それとも
Appassionato(熱情的)
にぶち壊すのか。
その選択肢が、この一覧だ。
👵 お母さんの一言
「あんた!用語ばっかり並べてないで、その通りの音がちゃんと出せてるの!?
『ドルチェ(甘く)』なんて、あんたに一番似合わない言葉じゃない。
でも、たまにはお母さんにも『グラツィオーゾ(優雅)』な態度で接してほしいものね。
理屈をこねる前に、指のタコをしっかり育てなさい!」